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紅莉栖「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 後半

引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1316160053/
前→紅莉栖「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 前編

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:12:07.86 ID:gDajzqeE0

………

~秋葉原・某ビル屋上~

岡部(…やはりここなら誰も来ないな。きょう偶然見付けた、俺を含めラボメンの誰にも縁もゆかりもない場所だ)

岡部(立ち入り禁止の立札があった気がするが知ったことじゃない。俺は一人になりたいのだ)

岡部(ラボを出て何日くらい経ったっけ? 携帯電話の電源を切りっ放しにしているせいで時間も分からん)

岡部(…まぁ時間なんて今はどうでもいい。まゆりが死ぬまでにはまだ時間があるはずだ…)

岡部「はぁー…」ゴロゴロ

岡部「……」


198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:15:11.08 ID:gDajzqeE0

岡部(…紅莉栖が、)

岡部(紅莉栖が死なない世界線では、まゆりが死ぬ)

岡部(まゆりが死なない世界線では、紅莉栖が死んでいる)

岡部(…ふざけてやがる。本当にふざけてやがる)

岡部(二者択一。紅莉栖かまゆり、俺は必ずどちらかを見捨てなければならない。…今時三流の糞漫画の中ですら滅多に見かけないようなシチュエーション)

岡部(…頭の隅では分かっている。『紅莉栖の命』か、『まゆりの命とディストピアの構築されない未来』か)

岡部(そんなもの天秤に掛けるまでも無い。俺は後者を取るべきだ。俺は後者を取らなければならない)

岡部(ここまで踏みにじってきた想いを無駄にしてはいけないんだ。そんなこと分かっている)

岡部(分かっているのに…)


199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:17:13.11 ID:gDajzqeE0

グ二ョォォォオォォォォォオォォオォォォオォン

岡部「…ッ!?」クラッ

岡部(…リ、リーディングシュタイナーが発動した!?)

ガチャッ

紅莉栖「そんなとこで寝転んでると白衣が汚れるわよ」スタスタ

岡部「紅莉栖!? なんでここが…」

岡部「…ああ。そういうことか」

紅莉栖〈106601回目〉「そういうこと。探した、本当に…」


201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:19:12.47 ID:gDajzqeE0

岡部「…すまんな。それで、何故俺をそんなに探し回ったんだ?」

紅莉栖「岡部とゆっくり話がしたかったから。…隣座っていい?」

岡部「…ああ」

紅莉栖「……」トスッ

紅莉栖「…ねぇ岡部、もう分かってるでしょ?」

岡部「……何をだ」

紅莉栖「とぼけたって無意味。私とあんたの付き合いがどれだけ長いと思ってるのよ」

岡部「…だよな…」

紅莉栖「…起き上がりなさい岡部。ちゃんとこっちを見て」

岡部「……」ムクッ


203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:22:21.72 ID:gDajzqeE0

紅莉栖「…これは二者択一じゃない。あんたにも、私にも選択肢は無いの」

岡部「……」

紅莉栖「どちらを取るかなんて問題じゃない。あんたと私は、絶対に世界を改変しなければならない」

岡部「…そしてそのためにお前は死ななければならない、か」

紅莉栖「…ええ。そうよ」

岡部「そんなこと…できるかよ…!!」スック

紅莉栖「…岡部?」

岡部「…俺は…諦めない…!!」

紅莉栖「…ねぇ岡部」

岡部「黙れ!! 俺は諦めない!! この世界線でもまゆりを救う方法はあるはずだ!! あるはずなんだよ!! 無くちゃいけないんだ!!」タタタタタ…

紅莉栖「おかっ…待てこのバカ!!」


210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:33:33.88 ID:gDajzqeE0

~ラボ~

ガチャッ

岡部「はあッ…!! はあッ…!!」バタンッ

岡部「…げッほ!! …はあッ…!!」ゼェゼェ

岡部(…俺は…繰り返す…!!)

岡部「パソコンは…付きっ放しか。丁度いい…!」

岡部(…そうさ! 俺は繰り返すんだ!)カチッ

岡部(まゆりも紅莉栖も死なない未来を選び取るために、何度でも俺は繰り返すんだ!)カタカタカタカタ

岡部(まだ試みてない方法を! まだ見付けてない可能性を! まだ足りていない鍛錬を! 俺は繰り返――)


212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:35:23.46 ID:gDajzqeE0

ガシイッ!!

紅莉栖「――こ、の……!!」グイッ…

岡部(…あれ? 浮い…)フワッ…

紅莉栖「ゴミ虫があああああああああああああああああああああああッッッッッ!!!!!!」ズドオオオオオオン!!!! ミシッ!!

岡部「…ごッ…あああああああああああああああああ!!!??」(一本背負い!?)ズキズキ ジタバタ

紅莉栖「…初めて岡部から一本取った」

岡部「…なにをするのだ紅莉栖…」ズキズキ

紅莉栖「路上で柔道はマジヤバい。覚えときなさい」

岡部「いやここフローリング…いだだッ!?」ムクッ ズキンッ

紅莉栖「…大丈夫?」

岡部「…肩甲骨にヒビが入ったかも知れん」

紅莉栖「じゃあそのまま横になってなさい」

岡部「……」ゴロン


214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:37:23.78 ID:gDajzqeE0

紅莉栖「……ねぇ岡部、タイムリープしようとするのは逃げよ。何の解決にもならない」

紅莉栖「この世界線ではまゆりが死なない可能性は万に一つも無いの。ゼロなのよ」

岡部「……」

紅莉栖「…ありがとう。私のためにここまで苦しんでくれて。だけど、もう充分」

紅莉栖「…岡部、あんたが世界を変えて。あんたが私を殺して」

岡部「……」

紅莉栖「せめて、岡部にやって欲しい」

岡部「…お前は納得しているのか?」

紅莉栖「まさか。だけど何度も言ってるでしょ? これは二者択一なんかじゃないって」

岡部「…そう、か…。……」


216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:39:10.53 ID:gDajzqeE0

岡部「……結局俺は」

紅莉栖「……」

岡部「結局俺は、お前に『殺してもいい』と言って欲しかっただかなのかも知れないな」

紅莉栖「…そうかもね。それでいい。その方がいい」

岡部「…紅莉栖、俺がやる。俺がDメールを消す」

紅莉栖「…ありがとう。お願い」


218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:41:52.24 ID:gDajzqeE0

………

紅莉栖「――これでよし。あとはエンターキーを叩くだけよ」

岡部「分かった」

岡部「……」

岡部「…なぁ紅莉栖」

紅莉栖「何?」

岡部「俺は、お前が好きだ」

紅莉栖「知ってる」

岡部「お前は?」

紅莉栖「知ってるでしょ?」

岡部「ああ。知ってる」


219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:44:08.18 ID:gDajzqeE0

紅莉栖「…ねぇ岡部、最期のお願い。手、繋いでもいい?」

岡部「ああ」スッ

紅莉栖「…うん。ありがとう」ギュッ

岡部「……」ギュッ

紅莉栖「…ほら、早くエンターキーを押して」

岡部「ああ」スッ…

カチッ

紅莉栖「さよなら。…私も、岡部のことが――」

グ二ョォォォオォォォォォオォォオォォォオォン


220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:46:38.37 ID:gDajzqeE0

………

岡部「…ッ」フラッ

岡部(……)

岡部(…紅莉栖の手の柔らかい感触が、消えた)

岡部(…最後の世界改変が、終わった)

まゆり「オカリン? そんなとこに突っ立ってどうかしたの?」

岡部「…いや? 何でもない。そうだまゆり、ラボメンナンバー004は誰なのか知ってるか?」

まゆり「え? うーん…004なんて居なかったと思うけどなぁ…」

岡部「そうだよな。004なんて居るわけないよな」

まゆり「?」

岡部「……」

ダル「…ん? オカリンどっか行くん?」

岡部「…ああ。少し泣く」

ダル「はあ?」


223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:49:54.62 ID:gDajzqeE0

――あれから早くも10日が経った。すぐ其処にあるのに手が届かなかった日々が、今ではまるで荒波のように押し寄せてくる。

結局電話レンジ(仮)は分解して捨てた。あれは愚かだった俺たちが造り上げた偶然の産物。本来あってはならないもの。

時を支配する狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真が死んだように、電話レンジにもまた死んで貰わねばならないのだ。

永遠に思えた、ひどく長かったこの8月もそろそろ終わりを告げようとしている。

…なぁ、これで良かったんだろ紅莉栖?

世界は再構成された。世界はきっと救われて、まゆりは何事も無かったかのように今日も唐揚げを頬張っている。

少しだけ時間の流れが緩やかになったこのラボで、今日も俺は紅莉

プルルルル… プルルルル…


224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:52:18.28 ID:gDajzqeE0

プルルルル プルルルル ガチャッ

ダル「はいもしもし。…え? 父さん? 僕が? 君の? …何言ってんの?」

ダル「…は? 岡部倫太郎に代われ? …なぁオカリン、謎の女がオカリンに代われってさ」スッ

パシッ

岡部「…誰だ」

謎の女『お願い! 今すぐラジ館の屋上に来て!』

岡部「だから誰だよ?」

謎の女『あたしは2036年から来た、そこにいる橋田至の娘。名前は、阿万音鈴羽』

岡部「…ちょっと待て…! …鈴羽が何でここにいるんだ!?」


227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 21:54:17.62 ID:gDajzqeE0

………

~ラジオ会館・屋上~

ガチャンッ!!

岡部「はあッ…! はあッ…!」ゼェゼェ

岡部(…嘘…だろ…?)

岡部「…タイムマシンだと!?」

まゆり「わー! すごーい!」

ダル「うお!? 何これ!?」

ヌッ

鈴羽「……」

岡部(鈴羽…!!)


231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:05:31.82 ID:gDajzqeE0

鈴羽「…君が岡部倫太郎?」

岡部「…そうだが…」

岡部(…そうか、この鈴羽は鈴羽でも俺の知っている鈴羽では無いのだな)

岡部「…それより鈴羽、その迷彩服はなんだ? そもそも何故この時代に…」

鈴羽「それについては今から説明するよオカリンおじさん」

岡部(…お、オカリンおじさん!?)

まゆり「おじさんなのー!?」

鈴羽「あたしが2036年からここに来たのは、おじさんに未来を変えてもらうため」

岡部「…未来を、変える? …どういうことだ!?」

鈴羽「…この世界線では、未来に第三次世界大戦が起きるんだ」

岡部「だ、第三次世界大戦だと!? そんな…!!」


235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:07:13.47 ID:gDajzqeE0

鈴羽「だからあたしと一緒にタイムマシンに乗って、世界線を変えて欲しい。未知の世界線に到達して欲しい」

岡部「…未知の…世界線?」

鈴羽「そう。良くも悪くも何が起こるかまったく未知の世界線。通称『シュタインズゲート』」

岡部「『シュタインズゲート』…!!」

ダル「しゅ、シュタインズゲート!? オカリンの妄想じゃなかったん!? つーかまず2036年から来たってマジ? 釣りじゃなくて?」

鈴羽「父さんは黙ってて!!」

ダル「父さん…だと…!?」ホホウ…


238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:09:33.39 ID:gDajzqeE0

岡部「…説明を続けてくれ」

鈴羽「あたしも父さんから聞いた話だから詳しくは分からないんだけど…とにかく『シュタインズゲート』に到達するにはオカリンおじさんの協力が不可欠なの」

岡部「SERNはどうなっているんだ?」

鈴羽「SERN? 何それ?」

岡部(…なるほど。やはりDメールの存在に気付かなかったことでSERNはタイムマシンの開発に失敗したのか)

岡部「何でもない。…それで? その未来を変えることで俺にはどんなメリットがあるというのだ?」

鈴羽「…第三次世界大戦勃発の原因を辿っていくと、2010年に発表されたとある文書に行き着く」

岡部「…?」

鈴羽「この年に学会に発表されたその文書、『中鉢論文』によってタイムトラベルの可能性が示唆されたことが第三次世界大戦のきっかけなんだ」

岡部「中鉢、って…」


239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:11:09.90 ID:gDajzqeE0

鈴羽「ドクター中鉢。本名は牧瀬章一」

岡部「牧瀬!? まさか…!!」

鈴羽「そう。牧瀬紅莉栖の実父」

岡部「…!!」

鈴羽「この『中鉢論文』がきっかけで各先進国でタイムマシン開発は過熱し、やがてそれは50億人を死に至らしめる大戦争にまで発展した」

鈴羽「…そして、この大戦が勃発するか否かは、牧瀬紅莉栖の命に掛かっている」

岡部「…それって、もしかして」

鈴羽「そう。言い換えれば牧瀬紅莉栖の死を回避すれば第三次世界大戦は起こらなくなる」

岡部「…救えるのか、紅莉栖を」

鈴羽「…可能性は限りなく低い」

岡部「…そうか。そうかそうか。そうかそうかそうか…!!」

鈴羽「…おじさん?」


240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:13:56.42 ID:gDajzqeE0

岡部「…ふはっ。ふはは、ふはははは。…フゥーハハハハハハッ!!!!」

鈴羽「!?」ビクッ

岡部「『可能性は限りなく低い』だと!? 上出来だ!! ゼロでないならば問題無い!!」

岡部「世界がどうなろうがどうでもいい!! だが鈴羽、俺はひょっとすると紅莉栖を救えるかも知れないんだろう!?」

鈴羽「…うん。そうだよ」

岡部「いいさ、例え僅かでも紅莉栖を救える可能性があるというのなら…ゴミ虫のように抗ってやるよ!!」

鈴羽「…もしあたしと一緒に過去に行ってくれるのなら、この手を取ってオカリンおじさん」スッ

岡部「はははははッッッ!!! いいだろう!! 過去へ行くぞ鈴羽ッ!!」スッ

ガシイッ!!


242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:16:31.86 ID:gDajzqeE0

グイッ

岡部「うおっとと…?」スカッ

鈴羽「…?」スカッ

まゆり「……」

岡部「何をするのだまゆり? 急に引っ張ると危ないだろう」

まゆり「…まゆしいは馬鹿だから今の話はちんぷんかんぷんだったけど…オカリンは今から危ないことをしようとしてるんだよね?」

岡部「…ああ。だが心配は…」

まゆり「まゆしいは、オカリンに行って欲しくないのです…」

岡部「…まゆり?」

まゆり「このまま行かせたら、そのままオカリンが帰ってこないような気がするから。だから…」

鈴羽「…椎名まゆり、オカリンおじさんは世界を救うために必要な」

まゆり「だからオカリンが行こうとするのを止めないのなら、まゆしいは全力で止めるよ」

岡部「ッ!?」ゾワッ


243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:18:18.20 ID:gDajzqeE0

岡部「…ッ…!!」(…とにかくまゆりと距離を…ッ!!)バッ ザザザッ

鈴羽「!?」(おじさんが臨戦態勢に入った!? …とにかくあたしも離れよう…!!)ザッ ザザッ

まゆり「……」

岡部「…まゆり、マシンの前からどいてくれ」

まゆり「……」

鈴羽(…マシンのすぐ前に椎名まゆり。そして椎名まゆりから見て12時方向におじさん、3時方向にあたし。距離はそれぞれ10メートル弱、か。…この構図はマズい)

鈴羽(椎名まゆりをかわして二人ともがマシンに乗り込むのは実質不可能。…つまり、椎名まゆりを無力化するしかない…)

鈴羽(…無力化? できるのか? 2010年とはいえ…『あの』椎名まゆりを相手に…!?)

鈴羽(…いや、やるしか…!!)


244: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:18:28.46 ID:biFKNQ6F0

ラスボスktkr


246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:20:14.86 ID:gDajzqeE0

鈴羽「…椎名まゆり、そこからどいて」チャキンッ

岡部(銃!?)「おい止せ!!」

まゆり「…撃つの?」

鈴羽「…君がそこからどかないならね」スッ…

まゆり「……」ニッコリ

岡部「止せ鈴羽ッ…!!」

鈴羽「……!」グッ…


249: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:22:12.67 ID:gDajzqeE0

岡部「殺されるぞッ!!」

鈴羽「ッ!!」ダァン!!

チッ

まゆり「…服に掠って左袖が少し破けちゃったよー♪ えへへー♪」

鈴羽(…違う…!! これは威嚇射撃、当たるはずなんて無かった…!! 今のは掠ったんじゃない…!!)カタカタ

鈴羽(…椎名まゆりは…わざと弾を掠らせに行った…!!)カタカタ

まゆり「やられたからにはお仕置きなのです♪」ダッ!!

鈴羽(来、る――!!)「…うあああああああああああああああああああああああ!!!!!」ダンダンダンダンダン!!!!!


251: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:24:10.01 ID:gDajzqeE0

チュンッ チュインッ

まゆり「……」タンッ タタッ

鈴羽「そんな…!!」(当たらない!! 距離が詰められる!! 懐に入られ――)ダンダンダンダン!!!!!!

まゆり「銃口の向きさえ見てれば結構簡単だよ?」バシィンッ!!

鈴羽「づッ!!」(銃を真上に弾かれ…!!)

まゆり「ごめんね?」スウッ…

鈴羽(大振りのテレフォンパンチ――!! 避けなきゃ――!!)

まゆり「トゥットゥルー♪」ヒュッ…


252: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:26:19.19 ID:gDajzqeE0

岡部「右に跳べええええええええッッッッ!!!!!」

鈴羽「ッ!!!」バッ

ヂッ! ビュオオオオオオオオオ…!!!!

ゴロゴロゴロゴロ…

鈴羽「……はあーッ!! はあーッ!!」ズザザザザー

鈴羽(死ぬかと思った…死ぬかと思った!! もし後ろに避けていたらアウトだった…!!)ガクガクガクガク

まゆり「外れちゃったよー♪ いいアドバイスだったねオカリン♪」ヒュゥゥン パシッ

鈴羽(!! 銃を取られた…!!)


253: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:28:09.72 ID:aUpkDUI40

どこで世界線を間違えたんだ・・・


256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:32:20.23 ID:gDajzqeE0

岡部「鈴羽ッ!!」タタタタタッ

鈴羽「お、おじさんっ!!」タタタッ

岡部「大丈夫か!?」ガシッ

鈴羽「…うん。拳が掠って肩口が破けたくらい…だけど、椎名まゆりに銃を…」ガクガク

まゆり「大丈夫だよ♪ まゆしいは銃は使えないのです」メキッ…バキ…

岡部「…素手で分解(バラ)してやがる」

鈴羽「…流石だね…」(まるで、星屑を握り潰すかのような…!!)

岡部「…鈴羽、いま『流石』と言ったか? まゆりは未来ではどうなっているんだ?」


259: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:36:10.27 ID:gDajzqeE0

鈴羽「…彼女は、第三次世界大戦の英雄」

岡部「…何だと?」

鈴羽「まるで焼き菓子を割るように全てをその手で砕き潰す蒼き怪物」

まゆり「……」メギ…パギィッ…

鈴羽「“クッキーモンスター”椎名まゆり」

岡部「…何だよそれ…!!」

まゆり「……」ポイッ ガラガラガラ…

鈴羽「彼女は銃器に頼ることなく異常なまでの戦果を挙げた人間として全世界から恐れられてるんだ。いくらおじさんでも敵わない。何か戦わずにここを切り抜ける方法を…」

岡部「…いや、俺が倒す」

鈴羽「…え?」

まゆり「…闘る気なのかなオカリン?」

岡部「……」

鈴羽「おじさん!? 無茶だよ!!」


260: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:36:59.67 ID:biFKNQ6F0

クッキーモンスターwww


263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:39:10.35 ID:gDajzqeE0

岡部「できるさ。殺さずに止める。意志を折る。希望の種をここで潰させはしない…!!」

まゆり「……」パキポキ

鈴羽「駄目だよ!! 勝てっこない!!」

岡部(集中しろ…!! 神経を研ぎ澄ませ…!!)フゥー…

まゆり「Too true―― Mad, your seed is death――(全く嘆かわしい事だ――狂科学者よ、君の希望は此処で潰える――)」

鈴羽(…二人とも本気だ…! …もうあたしの出る幕は無い。下がろう…!)ザザザッ…

岡部「……」スッ…

まゆり「……」

まゆり「……」ザカッ

鈴羽(…!? 何なのあの構え…!? 両手足を地面に付けてまるで蜘蛛…いや、むしろゴキブリのような…)


266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:42:05.54 ID:gDajzqeE0

岡部「…来い」

まゆり「……」ググッ…

まゆり「……トゥットゥルー!!!!」ヒュオオンッ!!!!

鈴羽(なッ!? 速――!?)

岡部(低空タックル――!! 受け流すッ!!!)

岡部「…らああああああああッッッ!!!」ズパァン!!

まゆり「!! ……」ダンッ ズザザザー

鈴羽(何だ今の――速過ぎて見えなかった――!!)ゾワッ…


268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:43:12.98 ID:t9gJT0bf0

こんなん助ける意味あんのかwww


270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:44:12.49 ID:gDajzqeE0

まゆり「一撃で終わらせるつもりだったのに…この技を見切られたのは初めてだよ♪」

岡部「…伊達に400回も殺されかけていないのでな」ニヤッ

まゆり「下手をするとまゆしいも軽くヒネられてしまいそうなのです。久々に本気を出せそうだよーえへへー」ユラァ…

タタンッ!!

岡部(来る!)バッ

まゆり「…ッふ!!」タタンッ ドウッ!!

岡部「うおおッ!?」(突きが鋭い!!)ヂッ!

まゆり「らッ!!」ビュオンッ!!

岡部「ッと!!」(一旦離れて体勢を整え直そう…!!)ザザザッ

まゆり「……」

鈴羽(おじさん凄い…! 回避が速い!!)


273: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:46:10.15 ID:gDajzqeE0

岡部「……」(なるほど、あいつも基本的なスタイルはヒットアンドアウェイか…)フゥー…

岡部(…それにしても相変わらず化け物染みた強さだな。その体躯からは想像できない脅威的な身体能力もさることながら、まゆりの真に恐ろしいのは『見抜く力』を持っているところだ)

岡部(いとも簡単に銃を分解したり、かつての俺を400回に渡って一撃で沈めたり…まゆりは人やモノの『弱い点』を本能的に理解している)

岡部(あらゆる事物にどうしても生まれてしまう脆い繋ぎ目。意識の死角。力の集中点。そういった部分をあいつは瞬時に察知してしまうのだ)

岡部(驚異的な身体能力を、脅威的な戦闘センスによって余すことなく使いこなせる天性の壊し屋。それがあの能天気な幼馴染み、椎名まゆりという人間だ…!!)

岡部「……」ジリッ

まゆり「…来ないのかなオカリン?」

岡部「…はッ! いいだろう…!!」タンッ! タタタッ…


278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:49:05.75 ID:gDajzqeE0

岡部「…ッらあ!! ふんッ!!」ヒュンッ!! ビュオ!!

まゆり(ミドルキックした右脚を軸に左踵蹴り…)「いい蹴りだけど…決定力に欠けるね」サッ パシイッ

岡部(打撃が…入らんな…!! 避けられるかガードされるかのどちらかだ…!!)ザッ ドウンッ!!

まゆり「降参したほうがいいと思うな。諦めも肝心だよオカリン」タタッ バシィンッ!!

岡部(…まゆりが『回避行動を取っている』ということはつまり『攻撃に当たりたくない』ということ。言い換えればまともに攻撃が入れば倒しようはあるということだ)

岡部(…だがその肝心の攻撃がまともに入らない。そもそもまともに貰えばヤバいというのは俺も同じ。むしろ向こうの攻撃力が馬鹿げている分俺の方がずっとキツいくらいだ)

岡部(頭部に貰えば戦闘不能。体に貰えば戦闘不能。手足に貰えば機動力が落ち次の一撃で戦闘不能…)


280: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:51:39.17 ID:gDajzqeE0

岡部「…本当に…困ったもんだ!!」ザッ グオンッ!!

まゆり「後ろ回し蹴りなんて当たらないよ」タンッ タタンッ

岡部(しまった焦り過ぎた!! 早く下が――)

まゆり「大振りな攻撃は命取りだよオカリン!!」ヒュゴッ…

岡部「ッ!!」(来る!!)バッ!!

ズァンッ!!!


281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:53:44.72 ID:/jSxs3FQ0

毎回プチッと逝ってたまゆしぃはどこにいったのか


282: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:54:01.03 ID:Quj3xDJg0

何でこれがあっさりラウンダーに殺されてたんだよwwww


283: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:54:14.92 ID:gDajzqeE0

岡部「…お゛ッ…!!!」(…正拳突きが左脇腹をかすめた…だけ…!! なのに何なんだこの抉られるような激痛は…!!)ズギンッズギンッ

岡部(…ッぐ…早く体勢を立て直せ…!!)グラッ

まゆり「これで終わりにしよっかオカリン」タタタタッ

岡部(決めに来やがった!? 急げ!! 回避を――)カクンッ

岡部(…嘘だろ…? 膝が…ッ!!)ヨロッ…

まゆり「我慢してね」ヒュオッ…

岡部(終わっ――)


284: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:57:12.05 ID:gDajzqeE0

天王寺《襟首を引っ張って叩き付ければいいだろ》

岡部「――ッ!!」ガシイッ!!

まゆり「…え?」

岡部「ッら゛ああああッッッ!!」グイィッ!!

ズダァァァン!!!

まゆり「ッぶァ!!」(鼻…がッ…!!)ミシッ…

タンッ タタタンッ!!

岡部「…はあーーッ!! はあーーッ!!」(き、距離を取れたッ…!!)ゼェーゼェー


287: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 22:59:14.35 ID:gDajzqeE0

岡部(…出来た!! 出来た出来た出来た!! 店長の技が!! …何で!?)

まゆり「……!!」ドクドク…

岡部(何故一度しか見ていない技を使えるのだ俺は!? いやそ、れより初めて攻撃に成功し…)

まゆり「…く…はは……おああああああッッッ!!!!」タタタタッ!!

岡部(…やはり速い!! どうすれば…!!)

まゆり「オカリンッッ!!!!!」ビュオッ!!

鈴羽《じゃあこんなのはどう!?》

岡部「…らあッ!!」ヒュオンッ!! バキイッ!!

まゆり「…っか…!!」(可変蹴りッ…!? …離れなきゃ…!!)ザザッ

岡部(…まただ…!! また使ったことが無いはずの技を使えた…!!)


292: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:01:13.50 ID:gDajzqeE0

まゆり「…まだ奥の手を隠してたなんて…すごいねオカリン」

岡部(奥の手? …いや、これはそういうものではなく…)

岡部「…そうか。そうかそうかそうか…!! ふは…ふははははッッ!!!」

まゆり「…?」

岡部(…思ってはいた。以前から武術の習得だけはいやに早いなと思ってはいたんだ)

岡部(違和感。その正体は)

岡部(『イメージを直結する』力)

岡部(目で見たもの、体で感じたことを直接フィードバックする力)

岡部(理屈として噛み砕いて反復練習によって体に覚え込ませる作業を必要としない、曖昧なイメージをそのままに体が勝手に正解を選択してくれる力)

岡部(リーディングシュタイナーによって本来は未修得の技をいきなり獲得したかのようにさえ見える、そんな力)

岡部(それは、フィジカルには恵まれなかったこの俺に秘められていた…)

岡部(この俺に秘められていた、唯一絶対の武才ッッッ!!!!!)


295: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:03:55.44 ID:gDajzqeE0

岡部「…さあ来いまゆりッ!! まだ始まったばかりだぞッ!!」

まゆり「…分かってるよオカリン!!」ダダダッ

岡部「来い――!!」

まゆり「おおおおお……ッッッ!!!!」ヒュウッ…

フブキ《円の動きはすべてを受け流す――!!》

岡部「…るあ゛あッ!!」パシィン!!

まゆり「ッ!!」

ルカパパ《鳳凰院くん、カポエイラって知ってるかな?》

岡部「ふんッ!!」メキイッ!!

まゆり「ッぐ!!」(なんてトリッキーな蹴り…ッ!!)ヨロッ


297: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:04:42.16 ID:biFKNQ6F0

ルカパパカポエイラ習得してるのかよww


299: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:05:06.22 ID:t2dwJal20

ルカパパ何者だよwwwwwwwwwwwwww


302: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:05:30.73 ID:gDajzqeE0

黒木《小便は済ませたか? 神様にお祈りは?》

岡部「るあ゛ッ!!」ドゴッ!!

まゆり「ッぶ!?」

カエデ《困った時のバックブロー、だよ》

岡部「はッ!!」メギッ!!

まゆり「づッ…!!」(この流れはマズい…!!)

フェイリスパパ《ははは、私の浴びせ蹴りは効いたかい?》

岡部「どらあああッ!!!!」ゴギイッ!!

まゆり「ごあッ…!!」(さっきから的確に急所をッ…!!)


303: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:06:47.10 ID:ifIxEfX50

フェイリスパパ森部のじーさんかよwwwwww


307: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:07:48.50 ID:gDajzqeE0

まゆり「…ッの!!!!」ズドムッッ!!!!

岡部「お゛ッ…ご…!!」(…ヤバい…ッ!! 腹部にモロに蹴りを…!! 血が…!!)ドザザザザー ゲボッ

岡部(…いや違う!! これは…吐瀉物(ゲロ)だ!!)ビシャッ ビチャビチャッ ググ…

まゆり(…っと。一気に大技を貰い過ぎたかな。血がなかなか止まらないよ)フラッ… ダンッ

岡部(まゆりの蹴りは確かに入った!! それでこの程度の威力…まゆりはかなり消耗している!!)ペッ 

まゆり(…お互いに、限界が近い…!!)フゥー…

岡部(今度まともな一撃を貰えば、今度こそ血を吐くことになるだろう…!!)

まゆり(だから…次で決める!!!)ググ…

岡部(叩き込む!!! 総てを!!!)ググ…


312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:09:22.77 ID:gDajzqeE0

岡部「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!!!!!」タタタタタッ!!

まゆり「うあああああああああああああああああああッッッッッ!!!!!」タタタタタッ!!

岡部「…ッどうだまゆりッ!! 今の気分はッ!!!」タタタッ

まゆり「最ッ高!!!」タタタッ

岡部「奇遇だなッ!!!」タタッ

まゆり「…づッあああああああああああああああああああッッッッッ!!!!!」メッギイイイイ!!!!!

岡部「ぐッ…!!」ゴブッ

まゆり(…入った!! お腹に重いアッパー!! これで止ま――)


318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:11:47.32 ID:gDajzqeE0

岡部「…ぶッ…!!!」ビチャッ ガシイッ!!

まゆり(耐えた!? くそ、掴まれ――)

紅莉栖《路上で柔道はマジヤバい。覚えときなさい》

岡部「……これで……終わりだ……!!」ビチャビチャ グオッ…

まゆり(…え? 浮い――)フワッ…

岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」ズドオオオオオオオオオオン!!!!!!!!


323: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:13:14.52 ID:gDajzqeE0

まゆり「……か………ッッ!!!! ふ………」メギイイイイイイイッ!!!

まゆり「…ッ…!! ……」

まゆり「……」ガクンッ…

まゆり「……」

岡部「……」

岡部「……勝った」

岡部「……はは。ははは…」

岡部「まゆりを……気絶(お)とした……俺が勝ったんだ……」

岡部「……うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」


325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:13:43.06 ID:xHw2gvw80

>>323
おい目的忘れるなよ?ww


326: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:14:57.89 ID:biFKNQ6F0

まゆりがやられたようだな


327: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:15:39.91 ID:xHw2gvw80

しかしやつは四天王のなかでも最弱


329: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:16:18.28 ID:uBepue3q0

岡部ごときにやられるとは


330: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:16:22.35 ID:gDajzqeE0

『――あらら、そんなに泣いてどうしたんだいまゆり?』

『ひっく…ひっく…おばあちゃん…』

『何だい? 泣かずに言ってご覧?』

『…あのね? さっきね? まゆしいがすなばであそんでたらね?』

『うん、うん』

『…しょ…ぐすっ…しょうがくせいのひとたちがね? まゆしいのすなやまをこわしてね?』

『うん、うん』

『それでないてたらね? おかりんがたすけにきてくれてね?』

『うん』

『しょうがくせいをやっつけようとして、やっつけられちゃった…』


333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:18:28.00 ID:gDajzqeE0

『それでおかりん君はどうしたんだい?』

『いっしょににげてね? どろだんごなげてまたにげてね? いっしょにかえってきた』

『おかりん君は泣いた?』

『ううん。でもまゆしいはおかりんがいたかったからまたないた…』

『それで、まゆりはおかりん君を見てどう思った?』

『かっこいいなっておもって、おかりんがいたかったらやだなっておもった』

『そうかそうか。おかりん君に危険な目に遭って欲しくないって思ったんだね』

『きけん? まゆしいはおかりんをまもれたらいいなっておもったよ』

『なるほど。護りたい、か。…強くなりたいのかいまゆり?』

『…うん』

『辛い道のりかも知れないよ。それでもいいのかい?』

『いい』

『そうか。…分かった、いいだろう――』


335: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:19:27.88 ID:YFo/7NaO0

まさかのばあちゃん…


336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:19:30.85 ID:2cAHt5ix0

お前のせいか


337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:20:16.55 ID:gDajzqeE0

岡部「――まゆり? 大丈夫か?」

まゆり「…オカリン」

岡部「良かった。なかなか起きないから心配した」

まゆり「…夢を、見てたよ」

岡部「体は、痛くないか?」

まゆり「肩甲骨が割れたかも知れないよー♪ えへへー♪」

岡部「えへへーって…」

鈴羽「…うん。これで二人とも応急処置は終わったよ。救急箱を持ってきておいて良かった」

岡部「…まゆり、救急車を呼んだ方がいいか? 鼻の負傷も軽くは無さそうだ」

まゆり「…大丈夫だよオカリン。足へのダメージはそんなに無いからね、いざとなったら歩いて病院まで行けば大丈夫なのです♪」

岡部「…そうか。じゃあここで寝てるか?」

まゆり「そうしようかなー♪」


340: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:22:48.97 ID:gDajzqeE0

岡部「…じゃあ、そろそろ行こう鈴羽」

鈴羽「うん。…それよりさっきおじさんに頼まれたものは買ってきたけど…本当にあれだけでいいの?」

岡部「ああ。十分だ。…ではまゆり、行ってくる。少しだけ待っててくれ」

まゆり「…ねぇオカリン」

岡部「…何だ?」

まゆり「…頑張ってね。まゆしいはここで応援してるから」

岡部「…ああ!」



ダル「……」

ダル「…え? 何これ」


341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:23:50.19 ID:M4ODy5Of0

居たのかダル…


345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:24:39.83 ID:gDajzqeE0

………

~タイムマシン内部~

鈴羽「――それにしても凄い戦いだったね。おじさん怪我は大丈夫なの?」

岡部「ああ。外傷はそこまで無いからな。内臓にはダメージが溜まっているだろうが寝れば治る」

鈴羽「そんな原始人みたいな…まあとにかく作動させるよ。ハッチ閉めるね」カチッ ウィーン…

鈴羽「…あ、そうだおじさん! 携帯出して!」

岡部「携帯か? ほら」スッ

鈴羽「混線を防ぐためにこれは置いて行かなきゃ…って壊れてるじゃん。やっぱり返すよ」スッ

岡部「ああ、さっきの戦いの時に壊れたのか。まあこれが終われば新しいのに買い替えるさ」パシ

鈴羽「さて、じゃあシートベルトを締めて」

岡部「分かった。…ところで鈴羽、このマシンの性能について聞いておきたいのだが」

鈴羽「えっと、まずこれはおじさんと父さんが造り上げたマシンだよ。過去へも未来へも行けるマシン」

岡部「なるほど、未来の俺たちが…」


348: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:27:10.55 ID:gDajzqeE0

鈴羽「…そしてこれは一番重要な事なんだけど、燃料の関係でチャンスは2回しかない。それくらいかな」

岡部「…2回失敗すれば終わり、か。構わん、1回で成功させてやる」

鈴羽「お、自信有りって感じだね。ところでCDは何がいい?」スチャッ

岡部「ブルーハーツにしてくれ」

鈴羽「分かった。っとその前にクーラー付けなきゃ」カチッ ブオオオオー

岡部「お、冷蔵庫があるではないか。ドクぺ貰うぞ」プシッ

鈴羽「そうそう、向こうに着くまでの時間は数分だよ。遠心力を相殺する装置が積まれてるからGに苦しめられることも無いはず」パカッ カチッ ウィーン… キュルルルルルー

岡部「分かった。ただ座っていればいいんだな。…では鈴羽、そろそろ出してくれ」ゴキュゴキュ

鈴羽「オーキードーキー!! じゃあそろそろ行くよ!!」ピピピピピピッ ピッ

キュイイイイイイイン… プンッ


351: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:28:33.04 ID:YFo/7NaO0

快適になってるwwww


352: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:29:25.16 ID:gDajzqeE0

~ラジオ会館・屋上~

ウィーン… プシュー…

岡部「…着いたか」ノソッ

鈴羽「だね」ノソッ

岡部「しかしこんなギリギリの時刻に着いて大丈夫なのか? 講演会が始まる直前ではないか」

鈴羽「直前じゃないと騒ぎになってマズいんだよ。おじさんこそスタンガンとハンマーだけで大丈夫なの?」

岡部「ああ。大丈夫だ」

鈴羽「ふーん…? とにかく何か考えがあるんならいいや。改めてこのミッションについて説明するね。目的は牧瀬紅莉栖の死の回避」

岡部「ああ」

鈴羽「おじさんは牧瀬紅莉栖をマーク、殺されるのを阻止して。あたしはおじさんのサポートに回る。終わったらタイムマシン前に集合ね」


355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:31:25.22 ID:gDajzqeE0

岡部「分かった。では状況開始だ。まずはあのドアノブを壊すぞ」スチャッ

鈴羽「なるほどね。そのためのハンマーか」

ガンッゴンッゴンッバキイッ!!

岡部(…たったの4回か。俺にも『壊れるやり方』と『壊れないやり方』がなんとなく分かってきたな…)

鈴羽「…そろそろ人が来るね。おじさんは隠れてて。あたしが囮になる」

岡部「分かった!」ギイィ…

鈴羽「あ、ハンマーは置いていったほうがいい! それだけで警戒されるよ!」

岡部「ああ! 任せたぞ!」ゴトッ タタタタタ…

鈴羽「自分との接触だけは絶対に避けてねー!! 深刻なタイムパラドックスが発生するかもしれないからー!!」


360: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:33:35.95 ID:gDajzqeE0

………

~ラジオ会館・7階~

ナンダ…コレ…? ハーイキケンデース! タチイラナイデクダサーイ!!

岡部「…はぁ…! はぁ…!」

岡部(…間一髪だったな。真っ先に階段を上ってきたのはたぶん『俺』だ)

岡部(さて、ここからどうする。動き過ぎるのもマズいと思って7階で止まっては見たが――)

岡部(…ん? あれは…雷ネットのガチャポンか)

岡部(そういえばまゆりの奴、あの時ここで当てたレアアイテムの『メタルうーぱ』を無くした、とか言ってしょげてたな)

岡部(…ちょうど財布は持ってる。どれ、ぶちのめした詫びににひとつくらい買っていってやるか)チャリッ ガションッ

コロンッ

岡部「お、メタルうーぱ。…なんだ、全然珍しくなどないではないか」

まゆり「あー! 雷ネットだー!」

岡部「ッ!!」(まゆりだ!! ということは俺も居る!! とりあえずここは離れよう!!)タタタタタ…


363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:35:06.44 ID:gDajzqeE0

~ラジオ会館・4階~

岡部(…危なかった…!! …ったく馬鹿か俺は!! 今は無駄なことをしている時間などないと言うのに!!)ゼェゼェ

岡部(…さて、これからどうする――)

紅莉栖「あの、お聞きしたいことがあるんですけど」

岡部「ッ!?」

紅莉栖「あなた、さっきこのビルの屋上から降りてきましたよね?」

岡部「…紅莉…栖…ッ!!」

岡部(…もう会えないと…思っていたのに…)ウルッ

紅莉栖「…私あなたと面識ありました?」

岡部「…いや」


365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:37:20.04 ID:gDajzqeE0

岡部(…そうだ、落ち着け。俺とこの紅莉栖は初対面だということを忘れるな)

紅莉栖〈0回目〉「…とにかく! さっき屋上で妙な音がしたし、ビルも揺れたように感じたんですけど一体何が――」

岡部「…紅莉栖」ガシッ

紅莉栖「ひっ!? 」ビクッ

岡部「俺はお前を絶対に助ける。じゃあな」タタタタタ…

紅莉栖「…え? ……あ、待って!」


367: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:40:14.18 ID:gDajzqeE0

~ラジオ会館・8階~

岡部(…ここだ。ここで紅莉栖は殺されていた)

岡部(いつ誰が来るかは分からないが…とにかく段ボールの陰にでも隠れておこう)

岡部(……)

岡部(……)ブルッ

岡部(…恐れるな。すべては俺の思惑通りに行くに決まっているさ)

岡部(…俺を、俺自身を、信じろ――!!)


371: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:42:50.53 ID:gDajzqeE0

………

パチパチパチ…

岡部(――発表会が終わったか。ということはそろそろ…)

カツン カツン カツン カツン

岡部(…来た!! 誰だ!?)

紅莉栖「……」カツン カツン…

岡部(…紅莉栖!? まさか先に紅莉栖が来るとは…)

紅莉栖「……」ガサガサ

紅莉栖「……」ニコッ

岡部(…何だあの封筒? そういえば初めて会った時にも持っていたな…)

岡部(…とにかく、作戦の再確認だ。紅莉栖を殺す犯人は恐らく刃物を持っている。そこでこのスタンガンの出番だ)

岡部(犯人が確定したところで、正確には刃物を持っている人物が現れたところでここから飛び出し、犯人にスタンガンを当て気絶させる…!! 単純だが完璧だ!!)


375: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:44:08.04 ID:gDajzqeE0

カツン カツン カツン カツン

岡部(…来た。二人目だ!)

ピタ…

岡部(…誰だ?)チラリ

紅莉栖「…話がある」

中鉢「……」

岡部(…ドクター中鉢。紅莉栖の実の父親。やはりこの男なのか…?)

中鉢「…それはなんだ?」

紅莉栖「パパがタイムマシンの発表会をするって聞いて、それで私も論文を書いてきたの。よかったら見て」

岡部(…論文? タイムマシンの発表会をすると聞いて? まさか…!)

中鉢「……」ペラペラペラペラ…


378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:46:08.36 ID:gDajzqeE0

中鉢「……ふむ。これは私が預かっておく」

紅莉栖「…え? ど、どういう…」

中鉢「お前はアメリカに帰れ。二度と顔を見せるな」

紅莉栖「…!! …論文を、盗むの?」

岡部(…間違いない!! 『中鉢論文』の正体は…紅莉栖のタイムマシン理論だ!! そしてあの論文がドクター中鉢のものとして発表されたということはつまり…)

中鉢「何だと…?」

バチィンッ!!

紅莉栖「っ…!」ジンジン

中鉢「この…!」ガシッ ギリギリギリギリ

紅莉栖「!? …ぅ…!!」ジタバタ

岡部(首絞め!? …もう間違いない! 紅莉栖を殺したのは中鉢だ!)


380: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:48:12.15 ID:gDajzqeE0

中鉢「お前に私の気持ちが分かるか!! なぜお前はそんなにも優秀なのだ!!」ギリギリギリギリ

紅莉栖「ぁ……!!」ジタバタ…

岡部(…いや待て!! まだ奴は刃物を出していない!! ここで飛び出すのは早計――)

中鉢「私はお前が憎い…存在そのものが疎ましいのだ!!」ギリギリギリギリ

紅莉栖「……っ!!」ガクガク…

岡部(――くそ、これ以上見てられるか!!)

岡部「止めろッ!!!!」バッ

中鉢「ん? …お前、さっきの…!!」パッ

紅莉栖「…ごッほ!! げほっげほごほげほっ!!」ゲホゲホ

岡部「さっき? …ああ、あの下らん発表会のことか」

中鉢「く…下らんだとッ!? …許さん…許さんぞガキ共ッ!!」パチンッ

岡部(折り畳みナイフ…!! 確定だ!! あとはスタンガンでこいつを気絶させれば…!!)


381: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:50:09.98 ID:gDajzqeE0

岡部「…ははは、来いよ中鉢…!!」スッ

中鉢「ス…スタンガン!?」ビクッ

岡部「俺がこいつで…お前をブチ殺してやるッ!!」カチッ!!

シーン

中鉢「……」

紅莉栖「……」

岡部「……」

岡部「…あれ…」カチッ カチカチッ

岡部(…ででで電池が入ってないだと!? 鈴羽の奴肝心なものを忘れやがって!! それともわざわざ電池も買ってこいとは言わなかったからか!?)ブンッ ガシャンッ


385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:52:08.75 ID:gDajzqeE0

中鉢「…なんだ何もしないのか? はひひ、ではお望み通りお前を…!!」ジリッ…

岡部(…来るか…!!)ジリッ…

紅莉栖「!! パパ止めてッ!!」

中鉢「うるさいッ!! …そうだ!! まずはお前から殺してやろう紅莉栖!!」

紅莉栖「!? ひっ…!! こ、来ないで…!!」ガクガク

岡部(…考えろ俺ッ!! まだ何かあるはずだ最後の一手がッ!! とにかく何でもいいから奴を止めろッ!!)タタタタタッ

中鉢「死ねぇぇぇッ!!!」ダダダダダ

紅莉栖「嫌あああああああああああああ!!!!!!」


387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:54:13.60 ID:gDajzqeE0

岡部「止めろおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!!!!!」タタタタタッ!!

中鉢「ん?」ピタッ

岡部(…ッ!! そうか見つけたッ!! 最後の一手ッ!!)タタタタタタ… ザカッ!!

中鉢(…何だあの虫のような構え!? 一体何を――!?)ギョッ

岡部(最後の一手ってのは――俺自身がスタンガンになる事だ――!!)ググッ ヒュオオオンッ!!!!

中鉢「な――」(速――)

紅莉栖「パパ危ないッッ!!!」バッ


391: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:55:38.47 ID:YdoOV8Z60

>最後の一手ってのは――俺自身がスタンガンになる事だ






なん…だと…?!


392: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:56:08.80 ID:gDajzqeE0

岡部「蜚蠊(ゴキブリ)タックルッッッッ!!!!!」メギメギメゴボゴバギィィィィィッッッ!!!!!!

紅莉栖「ゲッボアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!??」ボギボギバギィィィッ!!

ドヒュウウウウウ!! ゴガンッ!! ゴギンッ ドゴンッ ズザザザザー…

紅莉栖「」ゲボッ ゴボゴボボッ ピクピク

中鉢「」

岡部「紅莉栖ッ!? なぜ中鉢を庇うような真似を…!!」ズザザザー

紅莉栖「」ピチャッ コポコポ ピクピク

岡部「…待て。…吐血?」

岡部(…そうか!! これだ!! よく考えれば『血の海の中に倒れている紅莉栖』はこの日の俺が既に観測しているんだ!!)

岡部(…『俺と俺が出会ってはいけない』ように…『紅莉栖は血の海の中で倒れていなければならない』!!)


398: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:58:03.18 ID:doa8kqsU0

なぜこうなった・・・


399: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:58:07.69 ID:gDajzqeE0

岡部「…紅莉栖ッ!! 吐けッ!! もっと血を吐くんだッ!!」ブンブン

紅莉栖「」ガボッ ゴポポポッ

中鉢「…ッ!! …ッ!!」ガクガク パクパク

岡部「紅莉栖!! もっと!! もっとだ!!」ブンブン

紅莉栖「」ゴボッ ビシャッ

岡部「ほら! もう少し!!」ブンブン

紅莉栖「」コヒュー コヒュー ピクピク

岡部「くそっ…!! 血が足りない…!!」


402: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:58:55.66 ID:HHaTZnpL0

>>399
殺す気だろオカリンwww


403: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/16(金) 23:58:57.95 ID:biFKNQ6F0

オカリンどうしてしまったん・・・


407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:00:10.44 ID:Rdc8yB2p0

中鉢「あ…!! あ…!!」ガクガク カランッ

岡部「ん? …そうか、まだお前が居るじゃないか…!!」

中鉢「!? ひ…ひっ…!!」ガクガクガクガク

岡部「血を…寄越せ…!!」ユラァ…

中鉢「ひぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!」パシッ ダダダダダ…

岡部「…ふん。それでもしっかり論文を盗んでいくとはな。本当に救えん奴だ」


409: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:01:00.55 ID:na6O1VNU0

まさに狂気のマッドサイエンティスト


411: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:02:04.82 ID:Rdc8yB2p0

鈴羽「オカリンおじさん!!」タタタタタ

岡部「鈴羽!! よく来てくれた!!」

鈴羽「うわ!? 大丈夫なのこれ!? 一応救急箱は持ってきたけど…」

岡部「大丈夫だ。ちゃんと『壊れないやり方』を使った」

鈴羽「え? これおじさんの仕業?」

岡部「そんなことより鈴羽、救急箱の中に輸血用の血か何か入ってないか?」

鈴羽「いや、無いけど…どうして?」

岡部「俺が観測した『血の海』はこの血の海よりももっと大きかったのだ。もう少し血を増やさないと…」

鈴羽「あそこに赤いペンキならあるよ。あれじゃだめなの?」

岡部「駄目だ。俺はあの時の血の匂いを『今でもはっきりと覚えている』。ペンキや血糊ではなく本物の血でないと…」

鈴羽「なるほど…」


415: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:04:07.35 ID:Rdc8yB2p0

鈴羽「あ、じゃあさ…」ゴソゴソ

岡部「何だ?」

鈴羽「これ使おうよ! 注射器!」スチャッ

岡部「…えっ?」

鈴羽「さぁおじさん! 腕出して!」

岡部「ば…止せ鈴羽ッ!!!! 俺は注射は死ぬほど苦手で」

鈴羽「ふん」プス

岡部「あああああああああああああああああああああああああああ――――!!!!!!」


417: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:04:37.34 ID:AfkWPXbp0

あぁ、そういや叫び声も回収しなきゃだったなwwwwwwwww


421: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:06:25.96 ID:Rdc8yB2p0

~タイムマシン内部~

鈴羽「…おじさん大丈夫?」

岡部「ああ…なんとか…」フラフラ

鈴羽「じゃあ早く座って。オカリンおじさんが元居た日に帰ろう」カチッ ウィーン…

岡部「…なぁ鈴羽…俺は確かに紅莉栖は救えたと思うが…第三次世界大戦を防ぐことは出来たのか…?」ストンッ フラフラ

鈴羽「…どうだろうね」

岡部「紅莉栖が書いた『中鉢論文』は中鉢が持って行ってしまった…。もしかすると失敗したのかも…」フラフラ

鈴羽「…分からないけどきっと大丈夫。あたしは牧瀬紅莉栖の生存がカギになる事しか知らないからね。このあとで牧瀬紅莉栖がドクター中鉢を糾弾したりするんじゃないかな」

岡部「ああ…なるほど…」フラッフラッ

鈴羽「…あんまり喋らない方がいいよおじさん。横になってて」

岡部「そうする…」ゴロン


422: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:08:24.03 ID:Rdc8yB2p0

鈴羽「…もしこの作戦が成功して『シュタインズゲート』に到達していたなら…あたしは消える。因果が成立しなくなるからね」

岡部「…消える?」

鈴羽「ああ、死ぬわけじゃないよ? きっとあたしは2036年の『シュタインズゲート』で、父さんと母さんの子として幸せに過ごしてる」

岡部「…そうか…」

鈴羽「…『シュタインズゲート』では何があるか分からない。数日後におじさんは死ぬかも知れない。牧瀬紅莉栖も死ぬかも知れない」

岡部「……」

鈴羽「それに第三次世界大戦が起きるかも知れないし、SERNってとこに世界が支配されるかも知れない。両方起きたりするかも知れないし」

岡部「…それでも、構わん」

鈴羽「…うん。じゃあ行こう」

岡部「ああ…」


425: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:10:14.20 ID:Rdc8yB2p0

鈴羽「そうだ、今のうちにお礼を言っておくよ。本当にありがとうオカリンおじさん。さようなら。…きっと7年後に会おうね」

岡部「…ああ…」

鈴羽「さてと…」ピピピピピピッ

岡部「鈴…羽…」

鈴羽「何?」ピッ

岡部「エル・プサイ・コングルゥ」

鈴羽「エル・プサイ・コングルゥ」

キュイイイイイイイン… プンッ


428: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:12:10.31 ID:Rdc8yB2p0

――こうして、俺たちは『シュタインズゲート』に到達した。

戦闘におけるダメージや肉体的・精神的な疲労は思っていたよりも大きなものだったらしく、俺はラジ館の屋上に帰り着くとすぐに高熱を出して倒れ、そのまま5日間寝込んだ。

療養中、家まで見舞いに来てくれたたまゆりとダルが持ってきた週刊誌の記事によって、俺は中鉢がロシアに亡命したことを知った。

その記事によれば例の論文は事故によって綺麗に燃えてしまったそうだ。ラッキーというか滅茶苦茶というか…。とにかく中鉢が学会に相手にされることはもう無いだろう。

またダルとまゆりに「最近ラジ館で殺人事件は起きていないか」と聞いたが、二人とも首を横に振った。秋葉原周辺では殺人どころか死亡事故すら起きていないらしい。


431: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:14:16.08 ID:Rdc8yB2p0

これで紅莉栖の生存はいよいよ確実なものになった。俺は最初の自分を、世界を騙すことが出来たのだ。

そうして、8月が終わって、9月になって、退院して――

――そして今日は、9月13日。俺の体感ではまったくそんな事は無いのだけれど、最初にまゆりが死んだ8月13日からちょうど1ヶ月後でもある。

つまりは俺がエンターキーを押した、この世界線においては彼女のリーディングシュタイナーが発動したはずのあの日はとうに過ぎていて。

それでも、牧瀬紅莉栖がこのラボを訪れてくれることは無かった。


438: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:16:20.37 ID:Rdc8yB2p0

~ラボ~

ダル「――リン。オカリン? 聞いてる?」

岡部「…ん? 何だ?」

ダル「聞いてねーのかお。さっきからメイクイーンの2号店ができるってフェイリスたんから聞いたんだって言ってんじゃん?」

岡部「済まんな。少し考え事をしていた」

ダル「ロダン乙」

岡部「もう少しマシな突っ込みは無かったのか? しかしまさかメイクイーンが2号店を出すとはな。場所はどこなのだ?」

ダル「中央通り沿いだってお」

岡部「フェイリスの奴…また権力を乱用したに違いないな…」ハァ…

ダル「またアキバに萌え系ショップ増えたしね。流石僕のフェイリスたん!」


440: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:18:14.90 ID:Rdc8yB2p0

岡部「そうだダル。萌えで思い出したが例のコスプレイベントの写真の現像終わったらしいぞ」

ダル「お、マジで?」

岡部「ああ。まゆりが今日ラボに持ってくるそうだ」

ダル「るか氏のコスプレかぁ。僕あの日用事で行けなかったんだよね」

岡部「いやあ、なかなかのものだったぞ。老若男女が寄ってたかっての大騒ぎだった」

ダル「まさかのリアル男の娘だもんなぁ。そりゃ人気出て当然だお」

岡部「ファンクラブまで出来ているくらいだからな。一度ルカ子の名前でググってみるといい」

ダル「マジ!? ファンクラブまであんの!? そのうちテレビにでも出るんじゃね?」

岡部「冗談抜きで本当にそうなるかもな」


442: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:20:03.76 ID:Rdc8yB2p0

ダル「テレビと言えば最近またブラウン管の調子が悪いんだよね。オカリン下まで修理に持ってってお」

岡部「だが断る! あんな重いもの運んでたまるか! お前が運べ」

ダル「デブはみんな力持ちだなんて思うなよ? つーかオカリン最近筋トレしてるから丁度いいじゃん」

岡部「それとこれとは別だ! お前がブラウン管工房に行ってこい! 小動物も居るんだ、ロリコンのお前大歓喜だろう?」

ダル「YESロリコン、NOタッチだお! ロリ専門じゃないし。そういやブラウン管工房って最近バイトのお姉さん入ったよね。桐生氏だっけ」

岡部「ああ、萌郁か。あいつもラボメンだ」

ダル「オカリンマジ何なん? 厨二病のくせに女の子の知り合い多過ぎだろ常考!」

岡部「厨二病は余計だ! そもそもあいつとはレトロパソコン探しを手伝ってやった程度の仲でしかないぞ」

ダル「オカリンマジ紳士。結局見つかったん?」

岡部「いや? それにもう二度と手伝わん」

ダル「ちっちぇーっす! 狂気のマッドサイエンティストちっちぇーっす!」

岡部「やかましい! 探しても無いものは無いのだ! そもそもあいつはもう編プロのバイトを辞めてるからな。万が一見つけても教える必要は無いぞ」


444: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:22:11.78 ID:Rdc8yB2p0

ダル「そもそも何探してたか詳しく知らんから無問題。つーか桐生氏はどういう経緯で工房のバイトになったん?」

岡部「小動物が怪我していたのを介抱して家まで付いていってやったらしい。それで無職だと言うので店長が雇ってやることになったそうだ」

ダル「ふーん。あの店はバイト居ても意味ない気もするけどね」

岡部「本人たちがいいならいいんじゃないか? 俺たちには関係のないことだ」

ダル「だね。とにかくこれでフェイリスたんにルカ氏に桐生氏の3人が加入。もうラボメンが6人か」

岡部「夏休みのころの2倍だな」

ダル「メイクイーン2号店ができたらラボメン全員で完成記念パーティーとかしたいけど…」

岡部「残念ながらそれは無理だろうな」

ダル「ですよねー。来月からだっけオカリンのアメリカ留学」

岡部「ああ」


446: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:23:15.15 ID:O0B8PF1s0

どこまでオカリンは能力を放出したんだ>留学


448: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:24:09.49 ID:Rdc8yB2p0

ダル「ヴィクトル・コンドリア大学だっけ。いつの間にそんなことになったんだよオカリン」

岡部「コンドリア大の名誉教授が東京に講演に来ている、という情報をネットで調べてな。自ら売り込みに行ったのだ」

ダル「え? それマジ?」

岡部「マジだ。講演の質疑応答の時に教授を徹底論破してみせたらいたく気に入られた」

ダル「で、その後で声掛けられたん?」

岡部「ああ。控え室に呼ばれて軽く世間話をしていたらそのままトントン拍子に留学の話が進んだ」

ダル「そ、そんな簡単に行くもんなん? 世間話とやらの内容が恐ろしくて聞けないお」

岡部「行ったのだから仕方が無い。まだ本決まりではないが、俺はアメリカに渡るつもりでいる」

ダル「お、おう…! 割とマジでパネェっすオカリン」スゲェ

岡部「ふはは!! 褒めても何も出んぞ!!」フハハハ

ダル「でもやっぱりちょっと寂しくなる罠。なんだかんだでここオカリンのラボだし」

岡部「…お前がそういうことを言うとは思わなかった」


452: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:26:15.06 ID:Rdc8yB2p0

ダル「僕どんだけ評価低いんだよ。つーか僕だけじゃなくてまゆ氏なんかもやっぱり寂しいんだろうと思うなのだぜ。応援してるよとは言ってたけどさ」

岡部「ラボについてはこれからお前がリーダー(仮)だ」

ダル「オーキードーキー」

岡部「まゆりについても心配は要らないさ。あいつはあれでとても強い子だ。…むしろ、俺の方が重荷になっていたのかもな」

ダル「重荷って。…にしてもこれからどうなるんだろうね。オカリンもまゆ氏も、それから僕もこのラボも他のこともさ」

岡部「さぁな。だが案外何とかなるもんだと思うぞ?」

ダル「そんなもんなんかなぁ」

岡部「そんなもんだ」

そう、きっとそんなもんなのだ。


456: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:28:12.69 ID:Rdc8yB2p0

紅莉栖は今もどこかで生きていて――恐らくは今頃アメリカの地で研究に勤しんでいるのだろうが――それでいてこのラボには来ていない。

その理由は分からない。単純にここに来たくないだけなのか、或いは何らかの理由でリーディングシュタイナーを失ったのか。

後者だとすれば『リーディングシュタイナーを持つ紅莉栖』の意識が『紅莉栖が死んでいる世界線』へと移動したことで行き場を無くして消えてしまった、などといったところか?

あえて探すことはしなかった。とにかく、彼女が今も生きていることに変わりはないのだ。

そして俺は紅莉栖が好きで、今更この気持ちを封印することなど到底できないと分かっていて、おまけにすぐにでも彼女に会いたくて仕方がないと来ている。


458: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:30:09.52 ID:Rdc8yB2p0

そんな俺がすべきことはたった一つで、だからそのために俺は行動を起こした。これはたったそれだけの話だ。

昔の俺なら、あれこれと理由を見付け出して彼女を諦めようとしていたのかも知れない。

だが生憎今の俺は、掛け違えたボタンだけ外しても何も変わらないことを知っている。俺はずっとここで夢だけを見て何もしないほどドジでは無いのだ。

生きているのなら、ゼロでないならば問題無い。彼女とはせいぜい離れて2万キロ。手が届かないのならば追い付けばいいだけの話なのだ。


462: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:32:15.69 ID:Rdc8yB2p0

まゆり「開けるね?」

と、ラボの入口の扉越しにまゆりの声が聞こえた。

なぜわざわざ了解を取るのだろう、と少し考えてすぐに思い付く。ダルの言っているように、まゆりは俺に対してなんとなく遠慮をしてしまっているのかも知れない。

あいつはあれで時々変に鋭いことがあるからな。俺の微妙な変化だとか、そういうものを感じ取っているのかも。そして、それの邪魔をしないように変に気を使っているのかも。

空気を読もうとするなんておおよそまゆりらしくないな。苦笑しながらゆらりとソファから立ち上がる。ここはこの俺が直々に扉を開けてやろう。


464: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:34:20.33 ID:Rdc8yB2p0

…なぁ紅莉栖。扉を開けるまで未来は分からない。扉を開けたって未来は分からない。

それでも俺は進まなければならないし、進むべきだし、進みたい。だから進む。

そんなことを考えている俺を、果たして君は受け入れてくれるのだろうか。

今まで無くしたものとこれから君が見るもの、それらをすべて取り換えた今ならば俺たちは変わっていけるのだろうか…

俺は玄関の扉を決然と見据えると、強く地面を踏み締めながらゆっくりと歩き出した――



おわり


468: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:36:32.75 ID:Rdc8yB2p0

=エピローグ=

~病院~

紅莉栖「…ここ…は…?」

看護師「…え?」

紅莉栖「ここ…どこ…?」

看護師「ま、牧瀬さん!? 意識が戻って…!?」アタフタ

紅莉栖「岡…いづッ!?」ズキッ

看護師「あ! 動いちゃダメです!」ワタワタ


476: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:38:17.35 ID:Rdc8yB2p0

紅莉栖「…ったた…! …あの、ここは…?」ズキズキ

看護師「あ、あのですね! ここは病院で、それで、お母様がさっきまでいらっしゃって、えっと…と、とにかく先生呼んできます! 寝ててくださいね!」タタタタタ…

紅莉栖(…生きてる。何でだろう? 確かにエンターキーは押されたはずなのに)ポスッ

紅莉栖(……)

紅莉栖(汚い天井だなぁ)


479: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:40:15.57 ID:Rdc8yB2p0

その後、担当の先生とママがそれぞれ大慌てでやってきた。

ママは私が意識不明のまま入院しているという知らせを受けてアメリカから飛んできたらしい。近くのホテルに宿を取って私の看病をしてくれていたそうだ。

状況がほとんど掴めなかった私は呆れるほどたくさんの質問をしたが、彼らは嫌な顔一つせずそれらに答えてくれた。

私がこの病院に運ばれたのは7月28日。目を覚ましたのは8月末日だったので、丸々1ヶ月も目を覚まさなかったことになる。

28日、私は内臓に大きなダメージを受けた状態で血の海の中に倒れているところを発見され、ここに緊急搬送された。

犯人は不明。ただ警察がその血の海を調べたところ、私のものとは別にもう一種類、私とは血縁関係にない何者かの血液が混じっていたそうだ。

また現場にはパパの指紋が付着したナイフが落ちていた。そしてそのパパは最近ロシアに亡命をしたらしい。


480: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:42:13.16 ID:Rdc8yB2p0

テレビで彼は「タイムトラベルの可能性を示唆する私の論文が燃えてしまった」などと訴えていたそうだ。

この世界線――発表会が中止にならない世界線では、私はパパにタイムトラベルについて書き上げた論文を見せに行っているはずなので、つまりはそういうことなのだろう。

これ以上パパの暴走を黙って見過ごす訳にはいかない。もし彼がまた何かとんでもないことをしようとするならば、私が全力で止める。

とにかく、こうしてなんとか私は生きているらしい。

そして、あの日ラジ館に居て、私と血縁関係に無く、死ぬはずだった私を何らかの方法で救うことのできそうな人なんて、私にはたった一人しか思い付かない。

……あの言葉、最後まで届かなかっただろうなぁ。

早く動けるようにになって、彼に会いたい。そして、そして――

――そして今日は、9月13日。


481: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:44:09.49 ID:Rdc8yB2p0

~タクシー内~

紅莉栖「――じゃあ柳林神社までお願いします」

タクシーの運転手「柳林神社ね」ブロロロロー…

紅莉栖「……」

タクシーの運転手「…お姉ちゃん、今日退院だったの?」

紅莉栖「え? …ああ、今日は外出許可が取れたんです。松葉杖さえあればあちこち動き回れる程度には良くなってきてるんですけどね」

タクシーの運転手「ふーん。じゃあこれから何かいい事でもあるの?」

紅莉栖「…もしかして顔に出てたりします?」

タクシーの運転手「出てる出てる。俺くらいのベテランになるとね、お客さんが何考えてるかがなんとなーく分かったりするんだよ。凄いでしょ」


485: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:46:09.38 ID:Rdc8yB2p0

紅莉栖「ええ。お仕事お好きなんですね」

タクシーの運転手「そりゃあ好きじゃないとこんなに長くやってらんないよー」

紅莉栖「お仕事が嫌になったりすることなんか、無いんですか?」

タクシーの運転手「そりゃあるよ。お客さんが困った人だったり、逆にちっともお客さんが捕まらなかったり。あと嫌な夢を見た時とかね」

紅莉栖「嫌な夢、ですか」

タクシーの運転手「人を轢いちゃったり後ろに乗せたお客さんが銃で撃たれたりする夢。馬鹿げてるけどすごいリアルでさ、そういう夢を見た日はやる気無くなっちゃうんだよ」

紅莉栖「……」

タクシーの運転手「ま、それでも結局俺は人を乗せるけどね。何が起こるか分からないからこそ楽しいんだと思うよ? 何事もさ」

紅莉栖「…そういうの、いいですね」ニコッ


487: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:47:52.57 ID:+Ueu2cRl0

運ちゃんにRSが


488: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:48:05.45 ID:Rdc8yB2p0

………

~柳林神社~

ブロロロロ…

紅莉栖(…よいしょ、っと)カツンッ カツンッ

紅莉栖(…階段の上り下りも一苦労だな。早く松葉杖無しで歩けるようにならないと…)カツンッ カツンッ

紅莉栖(…あ、居た。掃除してる)

カツンッ カツンッ

紅莉栖「こんにちは」カツンッ カツンッ

ルカ子「え? あ、こんにちは」

紅莉栖「初めまして」ニコッ

ルカ子「? 初めまして」


491: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:50:08.21 ID:Rdc8yB2p0

紅莉栖(…やっぱり何も覚えていない。分かってはいたことだけど、というか元々そうとしか考えられなかったけれどこれで確定した)

紅莉栖(やはり確かに世界線は移動し、なおかつ私は命を救われたんだ)

ルカ子「…あの、お怪我されてるんですか?」

紅莉栖「ええ。内臓が少し傷付いてるのよ」

ルカ子「ええっ!? だ、大丈夫なんですか!?」アタフタ

紅莉栖「大丈夫よ。だってほら、今だって自由に歩き回れてるでしょ?」

ルカ子「で、でも…! …ち、父を呼んできます! 父に祈祷をしてもらいますからっ!」タタタタタ…

紅莉栖「え? いやだから大丈…行っちゃった」


492: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:52:13.06 ID:Rdc8yB2p0

………

~メイクイーンニャンニャン~

カランカラーン

紅莉栖(…つ、疲れた…。あのタクシーに待って貰ってればよかった)

フェイリス「お帰りニャさいませご主人様~!」

紅莉栖「こんにちは」

フェイリス「…ニャニャ? もしかしてご主人様お怪我してるのかニャ?」

紅莉栖「ええ。内臓をちょっとだけね」

フェイリス「ニャ、ニャンだってー!? そんなご主人様にはフェイリス特製猫まんま(無添加)をサービスしちゃうのニャー!! ささ、こちらの席にどうぞなのニャ」

紅莉栖(相変わらずだなぁ。…なんか安心しちゃった)


495: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:54:12.57 ID:Rdc8yB2p0

………

~ブラウン管工房前~

紅莉栖(…ついに、来た)

紅莉栖(ついに、ラボの前まで来た)

紅莉栖(…か、帰ろうかな。…いやいや! 何ビビってんだ私!)ブンブン

紅莉栖(…あれ? 工房の中に居るのって…)

紅莉栖(…桐生さん!? 何で!?)

紅莉栖(……まぁいいか。私が口を出す事じゃない。3人ともあんなに楽しそうなんだからいいじゃない)

紅莉栖(それより…)

紅莉栖(…そろそろ、行きますか)


496: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:56:10.38 ID:Rdc8yB2p0

紅莉栖(…階段、登れるかな…)

コロンッ

紅莉栖「…ん?」(何か足に…)

まゆり「あー! まゆしいのメタルうーぱ落ちちゃった…」タタタタ ヒョイッ

紅莉栖「…まゆり!」

まゆり「え? …えっと、どこかで会ったことあるのかな?」キョトン

紅莉栖「あ、いや…はじめまして。私の名前は牧瀬紅莉栖。よろしくね」

まゆり「椎名まゆりだよーえへへー♪ 紅莉栖ちゃんって呼んでいいかな?」

紅莉栖「もちろんよ、まゆりさん」

まゆり達とは、また一から始める。


497: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 00:58:07.47 ID:Rdc8yB2p0

まゆりに支えてもらいながら、ラボへと続く階段を少しずつ上っていく。

かつん。かつん。何度通ったか分からないこの階段を、本当に少しずつ上っていく。

不意に、思い出す。

ひどく遠回りをした思い出を。あなたと私が紡いだ想い出を。

本当に、いろいろなことがあった。


502: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 01:00:10.68 ID:Rdc8yB2p0

――ついに、入口のドアの目の前までやって来てしまった。

途端に、驚くほどさまざまな悪い想像が頭の中を駆け巡り始める。悪趣味なシミュレーションが幾度も繰り返されていく…

大きく、深呼吸をする。

…心配するのはもう止めよう。心配したって今更どうにもなりはしない。だから、そもそも心配する必要なんて無いんだ。きっと大丈夫。

そう、私たちはきっと大丈夫。


506: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 01:02:08.56 ID:Rdc8yB2p0

まゆり「開けるね?」

笑顔でドアノブを指差すまゆりに、無言で頷き返した。

…ねぇ岡部。過去を紐解けばいろんな事柄が、私たちの前にあったと思う。

けれどこの先は素晴らしい日々だけが残っているような、そんな気がする。

それでも、本当の事は分からない。

それでも、あなたの事だけは近くに感じていたい。


510: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 01:04:18.13 ID:Rdc8yB2p0

だから、まずは挨拶代わりに皮肉の一つでもぶつけてやろう。

そして、最後まで言えなかったこの言葉を今度こそ伝えよう。

……私も、岡部のことが大好き!!

心臓がピンポン球のように跳ね始める。世界が色鮮やかに再構成されていく。

見慣れたそのドアノブに、今、まゆりが手を伸ばす――





527: ライクライク ◆tu2XsZxd/6 2011/09/17(土) 01:08:22.23 ID:Rdc8yB2p0

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おわったああああああああああああああああああああああああああああああ

ここまで見てくださった方、本当にありがとうございました。
好きなものや好きな要素を可能な限り詰め込んでやりたい放題できたのでもう満足。
さるさん6回も食らったときはもう駄目かと思ったけど私は元気です。


513: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 01:05:10.05 ID:Kabhz7QK0

乙リン


531: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 01:11:32.80 ID:ezEP0n5f0

面白かったー!乙!


541: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/17(土) 01:21:21.23 ID:k9aLQi670

めちゃくちゃ笑わせて頂いた
ありがとう


545: 忍法帖【Lv=2,xxxP】 2011/09/17(土) 01:29:05.98 ID:XlK5mSr30

乙・プサイ・コングルゥ

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承認待ちコメント - - 2015年02月10日 12:23:58

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